サービスの改善にむけて

2021年度 自己評価結果等の公表(2022年3月17日)

2月末締め切りで実施しました、ご利用者の保護者および事業所職員に配布した評価表によるアンケート調査に対し、保護者16名(回答率100%)、職員11名(回答率100%)から回答が提出されました。その結果を集計し取り纏めたものをもとに、職員間で課題共有し改善目標をたてましたのでここに公表いたします。
 保護者向けアンケートにおいて「事業所の支援に満足しているか?」との設問に対して、全ての保護者から「はい」とお答えいただいたこと、また、ご意見欄に感謝のお言葉を記載していただいたことなどを通して、努力が報われた思いを抱いております。しかし、このことに満足せず、今回いただいたご意見や思い・願いを謙虚に受け取り、今後の事業運営に反映し、より良い福祉サービスの実現を目指して参ります。

Ⅰ.保護者による評価

a. 課題
① 保護者への説明等:“保護者に対する支援や保護者同士の連携に対する支援”についての設問に対し「わからない」「どちらともいえない」という回答が多く見られました。 この回答からだけでは保護者の方々の思いや真意を汲み取ることはできませんが、保護者に対する支援、特に保護者同士の連携に対する支援については、今一度検討する必要があると感じています。
② 適切な支援の提供:“障がいのない子どもと活動する機会”についての設問に対して「わからない」「どちらともいえない」という回答が多く見られました。児童発達支援に関しては同敷地内の保育施設との連携のもと事業を行っているため、常に交流を持つことができていますが、放課後等デイサービスに関しては、時間的制約や感染症の影響で定期的・計画的な交流の機会を設けることは難しい状況です。
b. 工夫している点
① 感染症の感染状況、保護者の希望等を見極めつつ、半年に1回のペースで個別面談の機会を設けられるよう努めました。連絡帳やメール、お迎え時のやりとりだけでは分からないこと、ご利用者一人ひとりの生活の全体像、保護者の方の願いや思いを知る良い機会となっています。また、感染症の影響による休校や分散登校の際には、ご利用者の「居場所作り」を最優先課題とし、可能な限りの受け入れ体制を整え、緊急のニーズにも概ね対応することができたと考えております。
② 放課後等デイサービスご利用者に対し健常児との交流の時間が提供できるよう、同敷地内のフリースクールに交流企画を提案しましたが、感染症の影響により実現することができませんでした。
 

Ⅱ.職員による自己評価

a. 課題
① 環境・体制整備:現在からしだねが優先的に使用できるのは一部屋のみであり、様々な障がいのご利者をお受入れしていること、またご利用者の年齢が上がるにつれて身体も大きくなってきていることから物理的環境の改善が必要であると感じています。
② 関係機関や保護者との連携:感染症の影響によりサービス担当者会議の実施が著しく少ない一年でした。また、地域におけるニーズを把握するための自立支援協議会等への出席等は今後の課題であると感じています。
b. 工夫している点
① 可能な限り、ご利用者お一人おひとりの障がい特性に応じた支援、環境が提供できるよう、部屋の使い方を工夫し、個別対応ができるスペースも作りました。刺激に対して過敏なご利用者、構造化が必要なご利用者が、視覚・聴覚からの情報が統制できる環境で、落ち着いて過ごせるようになっています。また、人数に対して手狭に感じる要因としては、職員配置の手厚さ(ご利用者一人に対し、職員一人)も影響していると考えます。
② 相談支援員との連携は積極的に行い、モニタリング時の訪問もお受入れし、直接お話する機会を大切にしてきました。また、今後も様々なニーズにお応えできるよう事業所職員が医療的ケア児の受け入れに必要な研修を受講しました。
 

Ⅲ.事業所全体による自己評価

a. 保護者回答に対する改善目標
① 昨年度より続く感染症の影響で、保護者同士が集まって話せる場などの提供は難しい、又は保護者が望んでおられない可能性もありますが、感染症の影響が落ち着いたタイミングでそのような機会を企画・実施することが望ましいかどうかについては、保護者や事業所職員に対して意見を伺い、検討していきたいと思います。それまでにできること、優先順位が高いこととしては各保護者への個別支援体制の強化であり、相談支援員との連携も積極的に行っていきたいと思います。
② 現在放課後等デイサービスのご利用者は各特別支援学校または同敷地内のフリースクールに通学されています。そのような観点からも、障がいのない子どもたちとの交流の第一歩としては、同敷地内フリースクールとの連携が望ましいと考えています。感染症の状況を見極めつつ、交流できる機会を作っていけるよう働きかけていきたいと思います。
b.職員回答に対する改善目標
① 今後もご利用者お一人おひとりに寄り添う支援を行うために、人員配置は現状維持と考えていますが、その分手狭となる活動スペースに関しては、当面の間、ご利用者の利用日調整や活動内容を工夫することで対応していきたいと考えております。また、定期的に支援内容や物理的環境の見直しを行い、現状に添う環境改善が行えるよう努力します。
② 感染症の影響により、他事業所との連携や交流の機会が少なくなっていますが、そのような中でもオンラインを活用した機会等がある場合には、積極的に参加できるよう勤務調整等を行っていきます。また、ご利用者への支援が事業所内だけで完結し偏った視点にならないよう、各職員が定期的に研修等に参加し、知見・知識を深められるよう事業所外研修参加の機会を計画的に確保するよう努めます。